「時間制限」の意味を知ってください。

【4,000円飲み放題のコースを中止いたします】

 

最後の一杯を残したり、制限時間を守ろうとしてくれなかったり、立て続けにそんなお客様がいらっしゃいました。

 

僕は料理に合わせて美味しいワインを飲んでもらいたいので、飲み放題用に安いワインを仕入れるのではなく、通常営業と同じワインを使っています。2時間半という制限時間があるから、安い価格設定が可能なのです。

 

飲食店は何を売っているのかというと空間です。

【席の面積×時間】です。

4,000円飲み放題コースは、「2時間半の制限時間がある分、値段を気にせず色々なワインを飲んでください。時間内でしたら何杯飲んでも大丈夫です。色々と飲み比べる楽しみを知ってくださいね」というイベントです。

制限時間以上にゆっくりしたいというお客さまは、飲み放題ではなく正規の値段でお楽しみください。

 

1人で営業していると、たくさんのお客様の相手をすることができません。

席が空いていても、その時の仕事が立て込んでいる場合には、新規のお客様に入店をお断りしています。

なぜなら、欲張って新規のお客さまを受け入れてしまって、全てのお客様をすごくお待たせしてしまうことになるからです。

無理をすれば、そこにいるすべてのお客さまに嫌われてしまいます。

 

通常営業でしたら、何時にお客様が帰るかは分かりません。

無理をせず余裕を持って新規のお客さまを受け入れます。

チャンスロスは出ますが、それは仕方のないことです。

飲み放題のような時間制限付きイベントの場合は、値段が安いので客単価は下がりますが、時間が読めるので次のお客様を断らずに済むので、チャンスロスはなくなります。

 

前置きが長くなりましたが、本日の出来事です。

 

2時間の飲み放題時間が終わり、お会計をして席を立つまでの30分のアディショナルタイム中に300円のおつまみを2つ頼まれたお客様がいました。

入店時に「足りなかったら追加で食べてもいい?」と言われていたのでお受けしましたが、「2時間半で席を立つことは変えられないので、デザート、コーヒーもお出ししてもいいですか?」と確認を取りました。

「いいです」と返答いただけたので、追加オーダーを受け、制限時間20分前に全ての品を出し終えました。

制限時間になったので、お会計を出しましたが、会計をしてくれず、そこから残っているワインを飲んだり、トイレに行ったりと、一向に席を立つ様子が見られません。

 

お会計を出しても支払いもせず、最後に頼んだ飲み放題のワインをゆっくり飲みながら席に居すわられたら、いつまでも片付けられません。

時間を守らないお客様のせいで、次のお客様が必要以上に待つことになりました。


新規のお客様は何も悪いことをしていないのに!

 

写真は今日のお客様ではなく、一昨日のお客様が残したワインです。

このように、もう飲めないのに頼んだり、時間を守らず長居されると、この値段では出来ないことを最初に説明したにもかかわらず、今日、このような結果になりました。

 

ルールを細かく説明すると、遠慮してしまうお客様がほとんどです。

なので、ルールの説明は必要最低限にして飲み放題コースをやってきました。

今までは何も問題なく、お客様に喜んでいただけていました。

でも、一昨日のお客様のような方がいらしたので、今日はルールの説明をしっかりしました。

 

制限時間を30分過ぎても帰る素振りをみせないので、お代は要らないからもう帰ってくれと言いました。

なぜなら、途中でお会計が入ってしまうと、パスタや焼き物は作り直しになるため、作り始めることが出来ないからです。

 

なぜ正規の値段を払って、ルールを守っているお客様が、待たされるような損をしなくてはならないのか。

分かってもらえるまで、何度でも繰返し説明をしなくてはいけないのでしょうか?

スタッフが他にいればそれも可能ですが、入ってきた新規4組7名様のオーダーをこなしながら1人ではとてもできません。

説明をして了解を得て、それでも30分も居すわる相手にこれ以上の時間は割けません。

 

やっと席を立ちレジカウンターへ来ましたが、もう調理を始めていたので、お代は要らないからもう帰ってと言いました。

「そんなに悪いことしたの!?」

「釣りは要らねぇ!」と、捨て台詞を残して帰っていきました。

 

長くなりましたが、もう飲み放題を続けるのが嫌になりました。

心が折れました。

 

期間を短縮して飲み放題コースを終了いたします。